2010年12月15日水曜日

momentus XTのSSDキャッシュに対するハイバネーション動作の影響

momentus XTは「OSに関係なく、使用状況に応じて、アクセスが多いファイルをフラッシュメモリ部分に配置し、読込みを高速化する「Adaptive Memory」機能を搭載しています。」とのこと。
ただHDDのファームウェアによってキャッシュするとなるとOSのファイル構造が認識できないので、よく使われるセクタ等の単位でキャッシュしているはずである。
だとすると、 ノートパソコンでよく使われるハイバネーション機能はメモリ内容を丸々4~8GB程度HDDに書き出し&読み出しするので、単純に使用頻度によるキャッシュを行うと4GBしかないSSDキャッシュの内容はハイバネーションファイルで埋まってしまうはずである。仮にそのように単純なキャッシュ制御だとすると、ハイバネーションするたびにせっかくのSSDキャッシュの内容がクリアされる結果となってしまう。
以上からハイバネーション時のSSDキャッシュの動作を検証してみた。

メモリサイズ8GBで検証(8GBのハイバネーション)
ハイバネーション復帰時間Visual Studio2008起動時間MSDN起動時間Firefox 3.6起動時間
起動直後測定不能11 sec7 sec4 sec
ハイバネーション1回目30 sec 未測定未測定未測定
ハイバネーション2回目27 sec8 sec8 sec4 sec
ハイバネーション3回目28 sec7 sec7 sec4 sec


まずハイバネーションを2回繰り返し連続して8GB+8GBの16GBのハイバネートファイルの書き込み&読み込みをさせてみた。
キャッシュの書き込みがあるかもしれないので十分な時間(1分間)を置いた後、アプリの起動時間を計測。その後、再びハイバネーション3回目を行った後にアプリの起動時間を計測してみた。

結果を見ると、見事にハイバネーションを行ったにかかわらずアプリの起動時間は変わっていない。
「Adaptive Memory」機能は、その名の通りにインテリジェントにハイバネーションによるHDDの読み書きを検知し、ハイバネーションファイルをキャッシュしないようにしているようである。

以上から、このHDDを使用する際にハイバネーションを気にする必要はないと言っても良いだろう。

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